『ふつうの Linux プログラミング』で 3 本の柱をものにする
『ふつうの Linux プログラミング』で 3 本の柱をものにする 『ふつうの Linux プログラミング』 は Linux での C 言語プログラミング入門書です. 3 つのコンセプトを軸に据えた説明が特徴で, すんなり読めて自然に Linux の勘所が分かるような構成です. 3 つのコンセプトとは ストリーム ファイルシステム プロセス のことです. これらを中心に据えて Linux の仕組みを学びます. タイトルにある「ふつうの」は標準的な方法を学ぶという意図を表しています. Linux の中心的な仕組みを知ることができるだけでなく, cat や grep など身近なコマンドを実装するなどの実例も豊富なので, 「API は分かったけど結局どう使うのか分からない」といったことがありません. 実践しながら Linux の仕組みを学びたい方におすすめです. 3 つのコンセプト まずは 3 つのコンセプトについての説明です. データを保存する場所である「ファイルシステム」 コンピュータ上での活動の主体である「プロセス」 プロセスがファイルや他のプロセスとデータをやり取りするための「ストリーム」 ストリームは本書独自の用語のようですが, バイト列の流れのことです. この 3 つのコンセプトが念頭にあれば Linux の様々なものを整理して理解することができます. 以下のような説明してみます. リダイレクト: プロセスの標準入出力ストリームの先をファイルに変える機能 パイプ: プロセスとプロセスを繋ぐストリーム シグナル: カーネルからプロセスへのストリーム (のようなもの) パーミッション: プロセスからファイルへのアクセスを制限する仕組み 確かに Linux についての多くのものが整然と理解できる気がするので, この 3 つのコンセプトに着目して Linux を学ぶのは優れたアプローチだと思いました....